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廃棄物処理施設整備に係る温室効果ガス削減に向けた取組み

この記事は、中外テクノス株式会社 社内報『まいてくのす』に掲載された内容を、WEBサイト用に再掲しています。

掲載号 《MYTECHNOS Vol.98》 2024年 新緑号 発行日: 2024年8月1日

廃棄物処理施設整備に係る温室効果ガス削減に向けた取組み

取締役 関西本部長(兼)関西支社長
笹口 秀一

国連気候変動枠組条約締約国会議(COP)において、我が国は温室効果ガス削減目標として、2030年度に温室効果ガスを2013年度比46%削減し、2050年度にCO2排出量実質ゼロ(カーボンニュートラル)を目指すことを表明しています。

関西支社の環境デザイン室において、廃棄物コンサルタント業務を行っていることは周知のとおりですが、廃棄物処理施設整備においても、近年CO2削減のためCCUS(CO2回収・利用・貯留技術)の活用が広く求められています。

今回は、廃棄物処理施設における温室効果ガス削減に係る我が国の最新事例をご紹介します。なお、国内の廃棄物処理施設において、現時点で事業化されたものは《事例1.》でご紹介する佐賀市清掃工場の1件です。

《事例1. CO2回収機能付き廃棄物発電検討事業》

佐賀市清掃工場は、日本で初めてごみ焼却場から排出される排ガス中のCO2を分離回収設備で回収し、回収したCO2は藻類培養業者に売却され化粧品やサプリメントとして製品化している日本初CCUプラントです。
本施設は、焼却処理能力172トン/ 日(ストーカー方式86トン/ 日×2炉)で、平成28年8月からCO2分離回収設備を稼働中です。

出典:佐賀市「佐賀市清掃工場二酸化炭素分離回収設備」

《事例2. 清掃工場から回収したCO2の資源化による炭素循環モデルの構築実証》

小田原市の環境事業センターでは、ごみ焼却場から排出されるCO2を再生可能エネルギー由来水素と反応させ、天然ガスの代替となるメタンの製造が開始されています。

《事例3. ごみ焼却設備からのCO2分離、回収、有効利用に関する実証試験》

横浜市の鶴見工場において、官民一体の取組みとして排ガスから分離・回収された高純度CO2を水素と反応させメタンガスを合成するメタネーションの利用に加え、産業ガス等に直接利用する研究がされています。
今春、姫路市から受注した「新美化センター整備基本計画作成等業務委託」においても、新美化センター整備を進めるにあたり、積極的な温室効果ガス排出量の削減が求められる等、脱炭素化に向けた技術導入の検討は避けては通れない重要な課題です。

全ての社会経済活動は脱炭素を主要課題の一つとして捉え、持続可能で強靭な社会経済システムへの転換を進めることが不可欠であり、それに応えることが我々の責務と考えます。

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